くりーたのブログ

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もし高校の卒業要件が「旅をすること」だったなら

もし自分が学校を作ったら。

やりたいことは沢山あるのですが、その中でも特にやりたいことが、「生徒に旅をさせる」ことです。

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生徒(高校生くらいの年齢)が自分で目的地を決め、旅費をバイトで稼ぎ、ホテルや飛行機等の手配も全て自分で行い、旅行から帰ってきたら旅先で撮った写真などと共に、旅を通して学んだことを他の生徒たちの前でプレゼンする。ってなことを考えているのですが、どうですか?素敵じゃないですか?

 「生徒に旅をさせること」だと長ったらしいし格好がつかないので、そのまんまですが、とりあえずこの実践のことを「旅の時間」と呼ぶことにします。

ということで以下、説明していきます。

 

 

「旅の時間」の概要

冒頭にも書きましたが、「旅の時間」では、高校生くらいの年齢の生徒たちが、自分で旅行先を決め、計画を立て、旅費も自分で稼いで旅行に行きます。できれば海外へ、そして一人旅が望ましいです。

帰ってきたら、旅行先で得た経験を振り返ってレポートを書きます。そしてそれを写真等を交えて他の生徒にプレゼンし、自身の経験をシェアします。以上をもって「旅の時間」の単位が認定されます。

 

「旅の時間」の流れ

「旅の時間」は次のような流れで進められます。

①「旅の時間」ガイダンス

②旅行をする際の一般的注意事項についての全体での学習

③各自で目的地決め、情報収集、計画

④旅費の捻出

⑤ホテル、飛行機等の手配

⑥旅をする

⑦旅で得た経験を振り返りレポート執筆

⑧プレゼンして経験をシェア

 

①では、「旅の時間」とはいかなるものかということ(大体ここに書いてあること)を全体に対して説明します。

②では、海外旅行をする際の一般的な注意事項や手続き(例えば、出入国審査の流れや飛行機の乗り方、パスポートを紛失した時の対応、犯罪に巻き込まれないための注意点等)を生徒が調べて、互いに教え合います。

③では、各自で目的地を決めて、現地の情報を本やネットを使って収集し、旅行の計画を立てます。その際に、旅行先でのトラブルは全て自己責任であり、学校は一切責任を負わないことを伝えておきます。そのため、生徒たちは外務省ホームページ等で渡航先の治安を自分でしっかり確認し、また自身の体力や語学力、旅行経験等と相談して、自分で責任を負える範囲内で無理のない計画を立てることが求められます(どうしても不安ならツアー旅行でもいいと思います)。

また国によっては未成年一人での入国を制限ないし禁止しているところもありますので、そういった場合には18歳の誕生日まで待つか(多くの国では18歳が成人年齢のため)、もしくは18歳の友達と一緒に旅をすることになるでしょう。

いずれにせよ、友達や周囲の大人に相談をするのは大いに結構ですが、最終的なプランは自分で決めてもらいます。

④では、旅行に必要な経費をアルバイトなどをして生徒自ら稼ぎます。アルバイト自体も社会や労働について考えを深める良い経験となるでしょう。

⑤では、ホテルや飛行機の手配を生徒自ら行います。何事も経験です。

⑥では、いよいよ旅に出て様々なことを経験してきます。そして、

⑦では、旅で得た経験を振り返って、レポート(2000字程度でいいと思います)を執筆します。

⑧では、旅先で撮った写真などを使ってスライドを作成し、レポートで書いたことをプレゼンします。旅行の時期や期間は生徒ごとに異なるので、プレゼンは随時行われます。プレゼンにはクラスメイトの他にも下の学年の生徒も見に来ていて、来年の自分たちの旅行の参考にします。プレゼンを通して、旅の体験をみんなでシェアし、感想やコメントを述べ合い、「旅の時間」は終わりになります。

以上が「旅の時間」の大まかな流れです。

 

「旅の時間」の目的

近年、(本当かどうかはともかく)若者に元気がない、内向き傾向だ、などと言われています。若者に「生きる力」を身に付けさせるにはどうすればよいのかと、世の大人たちは考えあぐねて、キャリア教育だのなんだの色々な「新しい試み」が教育現場に降ろされてきます。

しかし、そんなことをしなくとも、社会で何とかやっていける能力を青年たちに身に付けさせるシンプルな方法があります。旅です。「可愛い子には旅をさせろ」と昔の人たちも言ってますしね。

旅費もアルバイトで稼げば、バイトの経験も積めて一石二鳥です(学校や保護者からすれば、生徒が自分で旅費を稼いでくれるので経済的!)。

旅行の計画を通して、計画を立てる力を身に付けられますし、海外の地理、歴史、政治、経済、社会情勢や文化、言語についての知識も身に付けられます。

予想外のアクシデントは旅につきものですが、それらに対処した経験は自信につながることでしょう。また、自分たちが慣れ親しんできたものとは異なる文化や価値観に触れることは視野の拡大につながるでしょうし、自分を見つめ直すきっかけにもなるでしょう。それに何より旅は楽しいし、良い思い出になります。

 まとめると、旅行やバイトを通して様々な知識・経験・スキルを身に付けて、視野を広げ、自信を付け、楽しい思い出を作ってもらうのが、「旅の時間」の目的です。

 

「旅の時間」の哲学

鋭い方は既にお気づきかもしれませんが、「旅の時間」は一つの哲学に貫かれています。自分で考え、自分で決め、自分で責任を取る。そして自由になる。という哲学です。これは我が校のカリキュラム全体を貫く思想でもありますので、「旅の時間」はまさにその集大成と言えるでしょう。

 

「旅の時間」と修学旅行の違い

従来の学校でも「旅」は行われてきました―修学旅行ですね。しかしここまで説明されると「旅の時間」と修学旅行の違いは一目瞭然でしょう。

もちろん従来の修学旅行にも意義はあります。公共の場でのマナーや集団での行動も学べますし、修学旅行は修学旅行で楽しいですからね。しかし、目的地も計画もほとんど学校が決めてしまい、みんなについて行けば何も考えなくても何とかなってしまう修学旅行ですと、「自分で考え、自分で決め、自分で責任をとる」という意識は中々芽生えないのではないでしょうか。これが、修学旅行があるにもかかわらず敢えて「旅の時間」を新設する理由です。

 

まとめ 

と、つらつら書いてきましたが、「旅の時間」の大体のイメージは伝わりましたでしょうか?こういうことをやりたいんですよ僕は。

これを読んで「一人で海外旅行だなんて高校生にはまだ早い!」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、僕は逆にこう思うのです。海外一人旅ができるくらいの思考力と行動力、責任感を身に付けさせることが、中等教育のゴールなのではないのか、と。

あるいは逆に、「こんなことわざわざ学校がしなくても、行きたい奴は勝手に行くよ」という方もいらっしゃるかもしれません。おっしゃる通りです。しかし、その一歩が踏み出せない子というのも(かつての僕がまさにそうでしたが)沢山います。そういう、一人ではなかなか外に飛び出せない子の背中を押してあげるのも、この「旅の時間」のねらいに含まれています。

 

確かに、現状の普通の高校ですと、学習指導要領を消化しないといけなかったり、生徒数が多すぎたり、進路選択、進路指導、さらには受験対策もあったりで、「旅の時間」を実施するのはなかなか難しいかもしれませんね(「総合的な学習の時間」や「特別活動」の時間を使って無理やりできないことはないかと思います)。もうちょっと教育制度が柔軟になればいいんですけどね・・・。

 

もしこの記事を読んでいる高校生の方とかいらっしゃいましたら(多分いないだろうけど)、春休みにでも是非、セルフ「旅の時間」をやってみてください!

レポートは書かなくてもいいので笑

それでは。