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くりーたのブログ

くりーたのブログです。

石川文康 『カント入門』

石川文康『カント入門』を読んだ。本書はタイトルが示す通り、18世紀ドイツの大哲学者、イマヌエル・カント(1723-1804)の入門書である。しかもうれしいことに新書である。石川氏の文章の巧みさもあって、趣味で哲学をかじっている程度の僕でも楽しみながら読むことができた。

カントの思想は哲学に止まらず、宗教学、社会学、心理学、その他の人文諸科学、自然科学、さらには近代社会の枠組みにも絶大な影響を与えている。まさに現代人、特に大学で学問を修めている人間にとって必須の教養と言っても過言ではない。

  

本書に登場するカント哲学のキーワードをいくつか抜き出してみる。

理性、仮象アンチノミー(二律背反)、因果律、物自体、現象、英知界、感性界、超越論的、分析判断、総合判断、アプリオリ、アポステリオリ、直観、カテゴリー、悟性、経験、自由、道徳、仮言命法定言命法、手段・目的、自律、判断力、合目的性、共通感覚、自然、理性宗教、根源悪・・・

色んなところで見かけるけど「よく分かんないや~」と適当に読み飛ばしてしまいがちな用語が沢山ある!笑

人文社会科学系のテキストだと注釈無しでいきなりカント用語が出てきたりすることがあるので、哲学畑以外の人も本書を読んで基本的な概念を理解しておくとよいのではないだろうか。

 

本書は、カントの生涯を伝記的に追ったり、カント哲学の発展史を教科書的に説明する類の本ではない。本書「はじめに」の言葉を借りて言えば、血の通った「脈打つカント」、そしてその「内面のドラマ」を描写する試みである。その謳い文句に偽りなく、カントがぶつかった問題を読者も追体験して、カントと著者と一緒に考えながら進んでいく書き方となっている。また著者のウィットに富む筆致も手伝って、決して簡単に理解できるという代物ではないが、退屈することなく、いや寧ろワクワクしながら読み進めていくことができる。

僕みたいに、哲学を専門にやっているわけじゃないけどカントについて知りたい!だけど三大批判書(『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』)を読むほどの気力と時間はない!(なんだあの分厚さと文章の難解さは!)という人にはうってつけの本である。特に人文社会科学系の大学生、大学院生には強くお勧めしたい。

 

 

カント入門 (ちくま新書)

カント入門 (ちくま新書)

 

 こちらが本ブログで紹介した『カント入門』です。

 

 

カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)

カント『純粋理性批判』入門 (講談社選書メチエ)

 

 こちらの本もカントの入門書としてはスタンダードなものらしいです。カントへの理解をさらに深めたい方は是非。

 

 

プロレゴメナ (岩波文庫)

プロレゴメナ (岩波文庫)

 

 『純粋理性批判』が出版された当時、「おい、ぜんぜんわかんねーぞ!もっとわかりやすく書いてくれ」という苦情が殺到したそうで、そうした苦情に応えるべく著された、カント自身による『純粋理性批判』の解説書。カント自身の著作を読んでみたい方は、こちらから読んでみるのが良さそうです。

 

 

純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)

純粋理性批判 上 (岩波文庫 青 625-3)

 

 熱心な方は挑戦してみてください。